村上春樹さんの本は昔から結構好きで、
だいたい全部読んでいる。
そしてしばらく読んでいなかった
『国境の南、太陽の西』 を、多分10年振り?くらいに再読。
以前読んだときには、断然"島本さん"目線から読んでいたのに、
今回はなぜか"有紀子"目線で読んでしまった。
そしてなんとなく、納得。
"はじめくん"が妻の有紀子をとても愛しているけれど、
でも島本さんへの吸引力もまたどうしようもない、という点が、
今回はとても良く理解できた。
そしてそれを許して、受け入れてしまう有紀子の気持ちも、
またなんだか共感できた。
でもでも、共感できたけど、
じゃあもう一度、二人でやり直そう、ということろで
お話が終わっているのがニクイ。
そこまでは理解できるけど、多分その後って、
やっぱりどうやったって上手くいかないもんなぁ。
しかも島本さんは消えてしまったけれど、
またどこかでひょっこりと現われでもしたら、
また有紀子を裏切ってしまうって宣言している男だもんなぁ。
そういう男性がいることは理解できるし、
その男性を許してついていく女性がいるのもわかる。
でももし出来ることなら、
自分はどっちともかかわりたくないなぁ~、
もっとシンプルで、ふつ~でいいから、
平和に暮らしたい。
それが切実な読後感です。
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